悩みのヒント 親の暴言


 親の暴言で傷つく人はけっこう多いのではないでしょうか。
 ましてや子どもの時に受けた暴言は、長く尾をひくことがあります。人格形成にも影響します。

その1 どういう暴言があるか
 私が集めた人生相談に関するスクラップや本の中から、親から受けた暴言の内容をピックアップしてみました。
人格について
「バカだ」「怠け者だ」「役に立たない」「落ちこぼれ」「クズだ」
容姿について
「デブ」「ブス」「毛深い」「気持ち悪い」
性格について
「わがままだ」「精神的に弱い」「もっとしっかりしろ」「性格が悪い」
何かをしようとした時
「あなたには無理、できっこない」「(頭ごなしに)やめなさい」
何かをした時
「どうしてうまくできないの」「やり方が悪い」「ダメだなぁ」
話をしようとした時
「口出しするな」「おまえの話は聞く必要ない」
冷たい言葉
「子どもにお金をかけても何も返ってこない」「どうせ今に出ていくのだから」
親が激高して
「出て行け」「顔も見たくない」「死んじまえ」
親が世間体を気にして
「みっともない」「親の立場も考えろ」
恩着せがましく
「何のために大金かけて育てたと思ってるの」「あなたのために我慢しているのに」
その他
「親不孝」「○○(きょうだい)に比べてお前は・・・」「お前は捨ててあったのを拾ってきたんだ」

 どれもひどい言葉です。それが親の口から出たと思うと、いっそうつらい想いをします。しかし、傷ついてばかりでは幸せに暮らすことはできません。親でなくても世の中にはいろいろなことを言う人がいます。幸せに生きていくために、人から受けた暴言に深く傷つかないようにしたいものです。そのような時にどのような考え方をしたらいいかを考えたいと思っています。

その2 人から受けた暴言に対する一般的な対策
 暴言については「人の言葉で傷ついた」に書いてあります。その中では次の4つの方針を挙げ、方法を考えてみた。
 (1)気にしないようにする     (2)自分が傷つかない考え方をする
 (3)相手に自分の気持ちを伝える  (4)人に相談する
 これら中には、親からの暴言に対しても有効なこともあると思う。一度お読みください。
 しかし、親から受けた暴言で、子どもの弱い心が傷つき、長い年月で深くしてしまった心の大きな傷を癒すことは容易ではない。

その3 親の立場になって考えてみる
 実際に親の暴言に傷ついている人にとっては、親の立場を考えることは、つらいこと、したくないことだとは思います。そういう人は、自分の親のことは考えずに、人ごとだと思って読んでください。

 人生相談の中には、「自分の子供を虐待してしまう」という母親からの悩みも多い。子供を傷つけたくないのに、つい心や身体を傷つけるようなことをしてしまう。そして、我に帰り、自分を責めます。

 親には親の悩みがあります。夫婦間の悩み、子育ての悩み、家族や親類や近所とのつきあいの悩み、仕事の悩み、自分についての悩み、生きることについての悩みなど。
 すでに大人になっている人にはわかると思いますが、容姿などは少しずつ大人になっても、心は子どもの頃と大してかわらないのです。ただ生活に必要な知識と習慣があるだけで、ほとんどの大人の心は未熟です。

 悩みがあるときに一番気にさわることを平気でするのは自分の子供です。そして、怒りをぶつけやすいのも自分の子供です。親から子供への暴力や暴言は、そういうものが大半です。

 もう1つのケースは、無神経な親です。繊細な子供の気持ちなど思いやることもできずに、不注意に暴言を吐く人がいます。感情的になる人、元来口の悪い人など。これも未熟な大人です。

 だからといって罪が消えるわけではありません。親を許せないのもしかたがないでしょう。単にそういうこともあるのだと、頭の片隅に置いてください。

 最後に、「自分の子供を傷つけたくてやった親はいない」ということです。
 親もあなたと同じ未熟な人間なのです。
(ここを読んで、悲しくなったり、怒りがわいてきた人へ。ごめんなさい)

 人の立場になって考えることを、相手のためと考えずに、自分が少しでもラクになるためと考えてもいいと思います。

その4 親の暴言への対策
 「そのことを考えてもしょうがない。くるしいだけ」と知る。
   つい想い出してしまうことはしかたがない。
     「自分は弱い」「忘れられない」などと自分を責めない。
     「またか」くらいに気楽に考える。
   そこから先は何も考えない。
     気づいた時に終わりにする。
     回想や悪い想像が自分を苦しくする。
     思考を「ストップ」する。
   気づいた時を幸せへのきっかけにする。
     こんなことを考えるよりも、幸せになることを考えよう。
     楽しいこと、好きなことを始めるきっかけとする。
     自分の夢や目標について考え始めるきっかけにする。
     自分が幸せにしたい人のことを考え始めるきっかけとする。

   

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