考えてもしかたないことを考えてしまう
私たちはよく、考えてもしかたがないことや考えなくてもいいことを考えてしまいます。そのために多くの時間をムダにしたり、イヤな気分で過ごしてしまうことがあります。
「考えてもしかたがないこと/考えなくてもいいことを考えてしまう」ことについて、考えてみることにします。
1.考えてもしかたがないこと/考えなくてもいいこと
考えてもしかたがないことがいろいろあります。
たとえば、 過去の出来事。すでに起こってしまったことは変えようがありません。過去の出来事に対して、必要な対策をして、何かを学んだのなら、それ以上は考えてもしかたがありません。
たとえば、将来のこと。将来について考えて不安になるだけなら考えてもしかたがありません。不安について今できる対策をしたのなら、それ以上考えてもしかたがありません。
たとえば、人のこと。人が何かをした、人が何かをしてくれないなどと、いつまでも考えていてもしかたがありません。人は自分の思うようには変わってくれません。
たとえば、自分にはどうしようもないこと。自分自身や自分の環境の中には、(今の)自分には変えようがないことがあります。そういうことを考えてもしかたがありません。
また、考えなくてもいいこともいろいろあります。
自分が考えさえしなければ何も問題がないことがあります。自分のコンプレックスなどは自分が考えさえしなければ問題はないはずです。また、人の思惑や人の目を気にしてもしかたがありません。人の考えることはわかりません。
一年たったら忘れてしまうような小さい問題もあります。すぐに忘れてしまうようなことはあまり考えなくてもいいはずです。
「考えてもしかたがないこと」や「考えなくてもいいこと」を考える時間を少しでも減らし、その分、幸せに過ごせる時間を増やすことができたらいいのではないでしょうか。
2.自覚する
考えてもしかたがないことや考えなくてもいいことを、自分はどのぐらい考えているのかを自覚している人は少ないでしょう。
自分は“くよくよ”“イライラ”しやすいと自覚している人はいると思います。
考えてもしかたがないことや考えなくてもいいことを考えてしまうのは、ただムダな時間を過ごしてしまうだけではありません。
大きいのは、イヤな気もちで過ごす時間が長くなることでしょう。そのことを考えると、悩ましい、つらくなる、悲しくなる、悔しい、腹が立つ、イライラするなど。
そのために、今やるべきことをおろそかにしてしまったり、今を愉しめなくなってしまいます。考えると夜眠れなくなってしまうというような人もいます。
そのことを考えなければ、もっと気分よく過ごせ、やりたいことをやれる時間も増やせるのではないでしょうか。
まずは、考えてもしかたがないことや考えなくてもいいことを自覚することだと思います。
そのためには、イヤな気もちになった時に、「このことは考えてもしかたがないことじゃないだろうか?」「このことは考えなくてもいいことなのではないか?」「こんなことよりも、他に考えたいことややりたいことがあるのではないか?」などと考えてみれば、「これは考えてもしかたがないこと/考えなくてもいいこと」と気づけるかもしれません。
次には、このことは考えたくない、このことでイヤな思いをしたくない、もっと他のいいことに時間を使いたい、もっと気分よく過ごしたい。このような望みをはっきりともつことだと思います。
そうすれば、「このことを考えるのはやめよう」と考え、対策もできるのではないかと思います。
3.対応策
「このことは考えてもしかたがないこと/考えなくてもいいこと」と自覚し、「このことは考えたくない」と望むのなら、その対策はあります。
「そのことを考えているのに気づいたら、そのことを考えるのをストップすればいい」のです。
そのことを、つい考えてしまうのは、無意識にですから、しかたがありません。自分を責めたり、落ち込む必要はありません。
気づいたら、その考えをストップできればそれでいいのです。
そのためには、まず、そのことを考えている自分に気づけることが大切です。
「このことは考えたくない」と自覚していれば、気づけることが増えるでしょう。
また、気分よく過ごすことを心がければ、そのことを考えてイヤな気もちになった時に気づけるようになれます。
次に、「このことを考えるのはよそう」と、その考えをストップできればいいのです。
そして、何かいいことを(考え)始めるのがいいのです。
いいことの一つには、今自分が気分よくなれることです。自分の好きなこと、やりたいこと、夢中になれること、愉しめることなど、今できることを考えてやればいいのです。
いいことの二つめは、将来の自分の幸せに結びつくことです。自分の夢や目標の達成に希望をもち、それを実現するための方法を考えて、今できることをやればいいのです。
いいことの三つめは、まわりの人を幸せにすることです。自分が幸せにしたい人のことを考え、その人を幸せにする方法を考えて、今できることをやればいいのです。
「このことは考えたくない。このことを考えるより、もっとやりたいことがあるはず」と考えれば、きっと何か思いつくのではないでしょうか。
自分の好きなこと・やりたいことを知っている人や、自分の夢や目標がある人や、自分が幸せにしたい人がいる人は、考えられることがあるはずです。
考えてもしかたがないこと/考えなくてもいいことを考えてしまっても、それに気づいていいことを始めることができれば、それは「いいきっかけ」になります。