人に甘えられない
「人に甘えられない」と悩む人がいます。
「本当は甘えたいけど、どうやって甘えたらいいかわからない」という人もいます。
「甘える」ということについて、考えてみたいと思います。
1.「甘える」とは?
まず、「甘える」とはどういうことでしょうか?
広辞苑を引くと、「馴れ親しんでこびる」「人の親切・好意を遠慮なく受ける」。また、「こびる」は「相手の歓心を買うために、なまめかしい態度をとる。いろっぽくふるまう」とありました。
なんとなくわかる気がしますが、「馴れ(なれなれしいの「なれ」)」「こびる」「遠慮なく」には悪い感じがします。
「甘える」という言葉には、「よくないこと」のイメージあります。「甘やかす」というのもいいことではありません。
「甘える」をもう少しふつうの言い方をすれば、「人の親切をありがたく受ける」「人の好意を喜んで受け入れる」「人にお願いする」「人に頼んで何かをしてもらう」のようになるのではないでしょうか。
「甘える」ことが、自分にとっていいことか悪いことかという問題があります。すべてが悪いことだとは言えないと思います。
また、「人に甘える」ことでは、「相手の気もち」や「関係への影響」を考える必要があるでしょう。
2.甘えられる側の心理
甘えられる側の人にとって、うれしいか? 迷惑か?は、両者の関係と相手によって違ってきます。
実際には、「うれしさ半分、××半分」(××=迷惑/面倒/うっとうしさなど)や「ありがた迷惑」のような、思いが混在した感じもあるのでしょう。
良好な関係なら、基本的には「甘えられる」のは悪い気はしないと思います。
ただし、その内容とタイミングにもよるでしょう。
こちらから甘えようとしても、相手は拒否することもできるわけですから、一方的に迷惑をかけることではありません。
相手が甘えさせてくれると言うのなら、喜んで甘えれば、相手もうれしいのではないでしょうか。
また、相手の好意に対して、お礼やお返しをすることもできます。その交換によって、互いの関係が良くなるのだと思います。何もしないよりも、関係が親密になり、信頼感も増すのではないでしょうか。
うまく甘えることは関係を良くすることにもつながる、と考えていいのではないでしょうか。
少なくとも、「甘えるのはよくないこと」と決めつけず、「迷惑かもしれない」と考えすぎないほうがいいでしょう。
3.うまく甘えるには
甘えることが「相手との関係をよくすることにつながる」と思うことができれば、ちょっと勇気を出せば行動に移せるのではないでしょうか。
そのためには、「甘えされてくれたら、その分お返しをしよう」と決心すればいいと思います。
あとは、言い方などの方法やタイミングを自分なりに考えて、甘えようとしてみればいいでしょう。
相手が喜んでいる様子なら、こちらも素直に喜んで甘えることが大事だと思います。相手の好意は喜んで受け、何かでお返しをすればいいのです。
相手によっては、また時と場合によっては、甘えることを拒絶されることもあるでしょう。それはしかたがありません。あまりしつこくしないほうがいいでしょう。
何かをお願いする場合には、「人を動かす」も参考になるかもしれません。
4.甘えなくてもいい
「甘えられない」と悩む必要はない、のではないでしょうか。
別に「甘えなくてもいい」と思うのです。
「甘えられないと関係が親密になれない」や「甘えられないのはかわいくない」などは、不幸になる考え方だと思います。自分がそんなふうに考えなければ何も問題はないはずです。
甘えなくても関係を良くすることはできると思います。
関係を良くするいちばんの方法は、自分が相手を幸せにすることでしょう。それを自分が喜んでやれ、相手が喜ぶことが自分の幸せと思えれば、なおいいでしょう。
人それぞれのタイプというのもあると思います。
甘えるタイプの人もいれば、甘えないタイプの人もいていいのです。
一つ心がけたほうがいいと思うのは、(自分からではない)相手からの好意は素直に喜んで受けることです。これも甘え方の一つと言えるでしょう。
さらに、相手に何かをしてもらった時には、すかさずお礼やお返しができるようになれば、なおいいでしょう。
「甘えなくてもいい」けど、甘えられる時には、互いが喜べるように甘えることができたら、と思います。