悩みのヒント 仲間はずれにされている


 「仲間に入れてもらえない」「無視される」「話しかけてくれない」「自分だけ誘ってくれない」「自分だけ知らないことがあった」などと感じ、「仲間はずれにされている」とつらい思いをしてしまう人がいます。
 「ハブ(“村八分”の略)」という言葉も一般化しつつあります。
 「仲間はずれにされている」と感じてしまった時に、どうしたらいいかを考えてみることにします。

1.現実を受け入れる
 まず大事なのは、「仲間はずれにされている」と感じた時、自分の精神的ダメージを小さくすること。そのためには、現実を受け入れることだと思います。
 「仲間はずれ」が悪い事・ひどい事であるのは間違いありませんが、残念なことにそういうことをする人がいるのは事実です。
 「こういうこともある」「こういう人もいる」「ハオハオ」などと、自分に言い聞かせることで、少しは気もちがラクになると思います。

 また、「自分に問題がある」と悩まないほうがいいと思います。自分に何か問題があるのかもしれないと、反省することで今後自分を改善できるのならいいのですが、自分を責めたり、自己嫌悪に陥ったり、落ち込んだりはしないほうがいいのです。
 「仲間はずれ」をするほうに問題があるのは確かです。でもそれは、「相手の問題」と考え、相手に対する余計なことは考えないほうがいいのです。
 「仲間はずれにされた」というイヤな感情に流されて、現状や自分や相手について考えすぎないように注意することが、自分の精神的なダメージを小さくするためには肝心なのです。

 心を少し落ちつかせてから今後のことを考えられたら、と思います。
 基本的な対策としては、「ひとりでもいい」と考えるか、その仲間に戻れるように努力するか、別の仲間に入れるように努力するかの、3つではないかと思います。

2.「ひとりでもいい」と考える
 仲間はずれにされても、「(自分は)ひとりでもいい」と考えることができれば、別に悩まなくてもいいわけです。
 「(自分は)ひとりではいられない」と考える人は、仲間はずれにされるのではないかという恐れも強いし、実際にそうなった時には耐えられないかもしれません。

 ひとりでも自分は大丈夫と思える自分になれたら、と思います。

 ひとりの良さもあります。気がラク、気を遣わなくてもいい、自由、束縛がないなど。
 自分の好きな時間の使い方ができるはずです。ひとりを愉しむ工夫もできると思います。また、学校なら勉強、職場なら仕事、家庭なら家事・育児などの、主にやることに力を入れることもできます。
 「ひとりも好き」と思える人は、無理に仲間に入らなくてもいいでしょう。
 時には「寂しい」と感じる時もあるでしょうが、それも克服できると思います。

 ただし、完全に「ひとりでいい」と思える人はともかく、ふつうの人は仲間づきあいも大切にできたら、と思います。
 そのためにはそれなりの努力も必要でしょう。努力の過程では、ひとりの状況もありますから、「ひとりでもいいけど、仲間に入れたらいいな」ぐらいに考えることができたら、と思います。

3.その仲間に戻れるように努力する
 仲間はずれにされた仲間に戻りたいと考えるのなら、そのための努力をしたほうがいいでしょう。
 「まず自分から」働きかけることが肝心です。
 自分から仲直りを提案する、原因がわからないのなら聞いてみる、自分に悪い所があったのなら素直に謝る(相手の非はとがめない)、というようなことです。

 相手が悪いのになぜ自分から? なぜ自分が謝らなければならないのか? などと考える人もいるでしょう。そういう人は、仲直りすることと自分のプライドとどちらが大切か、よく考えてみてください。
 「別に仲間に戻らなくてもかまわない」という選択をしてもかまいません。

 自分が仲間に戻りたいのなら、自分から相手に働きかければいいのです。でなければ、たぶん相手がすぐに心変わりすることはないでしょう。
 相手の考えを変えるためには、相手の感情に訴えたほうがいいでしょう。そのためには、どちらが悪いかなどと議論をするのではなく、お願いする形のほうがいいでしょう。たとえ、議論に勝ったとしても、それは逆効果でしょう。

 自分からいくら働きかけても、その結果はわかりません。相手によります。
 でも、努力してダメならダメで、他の方法を考えればいいのです。いつまでもくよくよしているよりもいいのではないでしょうか。
 また、今はダメでも時がたてば、仲間に戻れる可能性もあります。あせらずに、その時機を待つことができたら、と思います。

4.別の仲間に入れるように努力する
 仲間はずれにするような仲間には戻りたいとは思わないのなら、別の仲間に入れるように努力するのも一つの選択です。
 と言っても、すぐにはそういう気にはなれないかもしれません。
 少し落ちついたら、「まず自分から」と動いてみてはどうでしょうか。

 できれば、仲間はずれなどしない思いやりのある(人がいる)グループを見つけられたら、と思います。そういうグループがあること、そういう人がたくさんいることを期待したいものです。
 仲間はずれなどに参加しない思いやりのある人を誘って、仲間になるのもいいでしょう。

 仲間はずれにされたことをいい経験に、少なくとも自分だけは、仲間はずれはしない(参加しない/反対する)、仲間はずれ状態になっている人がいたら声をかけてあげられるような人になれたら、と思います。

   

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