悪い癖がやめられない
喫煙・過度の飲酒、ギャンブル・ゲーム、過食、浪費など、自分でやめたいと考えていても、やめられずに悩む人がいます。それこそ、「わかっちゃいるけどやめられない」ということがあります。
今週は、「悪い癖がやめられない」と悩む場合について考えてみることにします。
1.考え方を少し変える
(1) 気にしすぎない
もし、人に迷惑をかけたり、身体を壊したり、経済的に破綻したり、仕事や勉強がまったく手につかないなどの大きな問題がなければ、あまり気にしすぎないほうがいいのではないでしょうか。
そのことで自分を責めたり、落ち込んだりしてしまうのは、自分のためによくないでしょう。
その行為を意識しすぎることが、かえって行為を助長することになってしまうかもしれません。「してはいけない」というような、自分に対するプレッシャーも同様でしょう。
「ある程度はしかたがない」「時にはしかたがない」と考えられるようになれたら、と思います。
(2) すぐに完全にやめようと無理をしない
その行為を「やめよう」ではなく、「減らそう」と考えたほうがいいのではないでしょうか。(きっぱりとやめられるのなら、それに越したことはありませんが)
また、急に減らすことも難しいかもしれません。時間や回数や量を少しずつ減らしていけたらいいのでしょう。
また、ある程度まで減ったら、そこで良しとしてもいいこともあると思います。
2.やめると「いいこと」
「悪い癖がやめられない」と悩んでしまうのは、その癖を「やめたい」という気もちがあるからです。
その気もちを大切に、さらに大きくできればいいのではないでしょうか。
まずは、その癖をやめるのは、何のためか? 誰のためか? をよく考え直してみたほうがいいでしょう。
その答えがはっきりすれば、癖をしてしまった(しそうになった)時に、「○○のためにやめよう」と考えることで、やめることができるかもしれません。
もう一つには、やめることで得られる「いいこと」を想い描くことです。
「この癖をやめると、こういういいことがある」「代わりにこれをやれば、こういういいことがある」などとイメージできれば、やめたい気もちが強くなるでしょう。
「この癖をやめれば、幸せになれる」という明確なビジョンがもてれば、悪い癖をやめる(減らす)ための努力にも力が入るのではないでしょうか。
3.悪い癖は、気づいて、ストップすればいい
悪い癖をやめるための工夫はいろいろできるでしょう。
たとえば、目につきやすい所に「やめよう」と書いて貼っておく、悪い癖に関わる物を側に置かない(近づかない/使えないようにする)、・・・。
本やネット上を探せば、いろんな方法が見つけられるのではないでしょうか。
自分に合いそうなヒントを見つけて、工夫してみるといいでしょう。
悪い癖を「やめよう、やめよう」と思うのは、逆効果になることが多いでしょう。
無意識に出てしまうのが“癖”です。
「悪い癖は出た時(出そうになった時)に、気づいて、ストップできればいい」のです。
自分の悪い癖が出た(出そうになった)のに気づいた時には、「○○のためにやめよう」「代わりにいいことを始めよう」などと考えることができたら、と思います。
悪い癖が出てしまったからと言って、自分を責めたり落ち込んだりするはよくありません。「悪い癖は気づいた時にストップできればいい」のです。
それができた時には、「よく気づいた」「よくやめられた」「えらい」などと、自分をほめてあげたほうがいいでしょう。
「いい(ことを始める)きっかけになった」と思えれば、なおいいでしょう。
悪い癖に気づいてストップできた経験が積み重なれば、「自分はやめられる」「(悪い癖を)やらなくても大丈夫」のように思えようになれるのではないでしょうか。
4.他の何かをする
「悪い癖をしない」というのは難しいことです。
それを意識すると、逆にしたい気もちが強くなってしまうことが多いでしょう。
「何かをしないためには、他の何かをすればいい」と考えたほうがいいでしょう。
悪い癖をしたくなった時に、代わりにすることがあれば、悪い癖をしなくてすむかもしれません。
たとえば、タバコを吸いたくなったら、代わりに禁煙パイポをくわえたり、ガムを噛んだりする。
「悪い癖をするよりも、代わりにこれをしたほうがいい」と思えるものなら、何でもいいのだと思います。
それが自分の好きなことや愉しめることややりたいことなら、悪い癖の代わりに実践しやすいでしょう。
また、それをやることで自分にいいことがある(将来の幸せにつながる)と心から思えることも実践しやすいでしょう。心から思えるためには、将来の幸せをうまくイメージできたらいいでしょう。
「自分の悪い癖に気づいたら、いいことを始めよう」と考える習慣をつくることができたらいいでしょう。
しなくてもいい、悪い癖をしてしまうのは、ヒマだからかもしれません。
やるべきことややりたいことが多い人は、それだけやらなくてもいいことをする時間は少なくなるでしょう。
それが、集中できることや夢中になれることなら、悪い癖のことは忘れられ、無意識に始めてしまわずにすむのではないでしょうか。
悪い癖をやめるためには、「忙しくする」というのも一つの方法です。
夢や目標をもって(将来幸せになれる)やりたいことを始めてみてはどうでしょうか。
「悪い癖よりやりたいこと」は、考えればたくさん見つかるのではないでしょうか。
問題は、そのことを「本当にやりたい」と思えるかどうかかもしれません。
本当にやりたいと思えることがあれば、「悪い癖をやるよりもこれをやろう」と考えれば、すぐに実践できるでしょう。